Google広告のキーワード一覧を見て、この言葉から問い合わせが来ていると判断していませんか。その画面に並んでいるのは、基本的に広告主が設定したキーワードです。ユーザーが実際に検索した言葉の一覧とは異なります。
実際の検索内容と成果を確かめるには、検索語句レポートで、検索語句ごとの費用とコンバージョンを確認します。同じキーワードから広告が表示されていても、依頼先を探している人と、仕事を探している人では、広告との相性が大きく違うからです。
この記事では、主にキーワードを設定して配信する検索キャンペーンを対象に、画面の開き方から、無駄な広告費と改善候補を見つける手順まで解説します。
登録キーワードと検索語句は何が違う?
キーワードは、どのような検索に広告を出すかを指定するために、広告主が登録する語句です。検索語句は、ユーザーが検索するときに実際に使った語句です。文字列が同じ場合もありますが、役割は別です。
(例)Web制作会社が、Web制作というキーワードを登録している場合
- ● 登録キーワード:Web制作
- ● 広告の表示につながる可能性がある検索語句:Web制作 会社、ホームページ制作 見積もり、Web制作 求人など
これは違いを説明するための例です。実際の配信対象は、マッチタイプや検索意図、その他の配信条件で変わります。これらの語句に必ず配信されるという意味ではありません。
キーワード単位のレポートでは、そのキーワードを経由した複数の検索語句の成果がまとめられます。そのため、登録キーワードのCPAがよくても、内訳には費用ばかりかかっている検索語句が含まれている可能性があります。逆に、全体のCPAが悪いキーワードの中に、成果のよい検索語句が隠れていることもあります。
また、完全一致で登録していれば、同じ文字列の検索にしか出ないとは限りません。現在の完全一致は、同じ意味や意図の検索も対象になります。フレーズ一致やインテントマッチも含め、Googleのキーワードのマッチタイプの説明を踏まえて、実際の配信結果を確認しましょう。
検索語句レポートの開き方と、最初に整える設定
1) 検索語句の画面を開く

- Google広告にログインする
- 左側のキャンペーンを開く
- 分析情報とレポートから、検索語句を選ぶ
- 対象の検索キャンペーンと期間を指定する
画面構成や名称はアカウントによって異なる場合があります。現在の基本的な導線は、Googleの検索語句レポートの案内で確認できます。
2) 登録キーワードの列を追加する

検索語句だけを見ても、どの設定から広告が出たのかは分かりません。検索語句とキーワードを同じ表に表示すると、設定と実際の検索内容を比較できます。
- 表の上にある表示項目を開く
- 属性からキーワードを選択する
- 必要な指標も追加し、適用する
キーワード列は初期状態では表示されないことがあります。表示方法は、Googleのキーワード列の説明を参照してください。
3) 比較する条件をそろえる
最初は商品・サービスや目的が近いキャンペーンに絞り、同じ条件で比較します。社名を含む指名検索と、まだ会社を知らない人の一般検索を一緒にすると、成果の出やすさの違いを見落としやすくなります。
確認期間は直近30日を出発点にし、件数が少なければ延ばす方法が実用的です。ただし、直近のクリックはまだ問い合わせや購入に至っていない可能性があります。自社の検討期間に合わせ、成果の評価では直近数日など未確定の期間を分けて見ましょう。
表示しておきたい項目と、それぞれの役割
最初からすべての列を表示する必要はありません。検索語句、キーワード、キャンペーン、広告グループに加えて、次の指標をそろえると判断しやすくなります。
| 表示項目 | 確認すること |
|---|---|
| 表示回数・クリック数 | 配信規模と、判断に使えるデータがどのくらいあるか |
| 費用 | その検索語句にいくら使ったか。見直しの優先順位を決める起点 |
| コンバージョン | 設定した成果がどれだけ記録されているか |
| 費用 / コンバージョン(CPA) | 成果1件あたりの広告費。自社で許容できる水準と比較する |
| コンバージョン率(CVR) | 広告への反応から成果につながる割合。クリック中心の検索広告では、クリック数との関係を見る |
| クリック率(CTR)・平均クリック単価 | 広告が選ばれているか、流入の単価が高すぎないか。成果が弱い理由を調べる補助指標 |
売上を評価する広告では、コンバージョン値とコンバージョン値 / 費用も加えます。件数だけでなく、獲得した成果の価値を見るためです。1件の購入金額が大きく違う場合、CPAだけで優劣を決めると判断を誤ります。
コンバージョンとして何を数えているかを先に確認する
問い合わせ完了と、問い合わせページを開いただけの行動が混ざっていれば、同じ1件でも意味が変わります。成果を見る前に、キャンペーンで使うコンバージョン目標とアクションを確認してください。
Google広告では、コンバージョン列とすべてのコンバージョン列で対象が異なります。サブのコンバージョンアクションは通常、すべてのコンバージョン列で確認しますが、カスタム目標に含めた場合などは扱いが変わります。設定の詳細は、メインとサブのコンバージョンアクションの説明を参照してください。
複数の成果が混ざる場合は、分類でコンバージョンアクションの内訳も確認します。問い合わせ件数が多くても、営業対象外の相談ばかりなら、実際の商談や受注の質まで見直す必要があります。
費用・成果・検索意図の順で改善候補を見つける
1) 費用の多い順に並べる
まず費用列を降順にして、広告費が多く使われている検索語句から確認します。クリック数だけで並べるより、予算への影響が大きい語句を見つけやすくなります。
コンバージョンが0件、かつ費用が一定額以上というフィルタを使うと、調査する候補を絞れます。ただし、フィルタに該当することは、除外する理由が確定したという意味ではありません。費用の基準は、許容CPAや普段の獲得ペースをもとに決めます。
2) 成果が出ている検索語句も確認する
次に、コンバージョンが1件以上の検索語句を確認し、件数とCPAを比較します。問題のある語句だけを探すと、予算や広告文を改善して伸ばせる需要を見逃してしまいます。
ただし、1回のクリックで1件の成果が出ただけでは、安定した成果とは判断できません。費用、クリック数、期間を見て、少数の偶然に引っ張られていないか確認します。
3) 語句から検索意図を読み、広告・LPと照合する
数字で優先順位をつけたら、その人が何を求めて検索したかを考えます。依頼先の比較、料金の確認、使い方の学習、求人探しなど、検索意図によって必要な情報は変わります。
検索内容が事業と合わなければ除外候補です。一方、事業と合っているのに成果が弱い場合は、広告文や、クリック後に表示するランディングページ(LP)に答えがない可能性があります。
4) 判断しにくい語句は、配信条件を分けて見る
同じ検索語句でも、広告グループやLPが違えば成果が変わります。全体の平均で結論を出さず、まずキャンペーンと広告グループを確認し、必要に応じてデバイスやネットワークの内訳を見ます。ただし、細かく分けすぎると件数が不足するため、疑問がある箇所に絞って調べましょう。
具体例:成果が出る語句と、見直したい語句の判断
(例)Web制作の相談獲得を目的にした、架空の検索語句レポート
CVは有効な問い合わせ完了とし、許容CPAを15,000円と仮定します。コンバージョンの計測に問題がなく、成果が記録されるまでの時間も確保した期間を対象にします。数値は説明用であり、業界の標準値ではありません。
| 検索語句 | クリック数 | 費用 | CV | CPA |
|---|---|---|---|---|
| Web制作 会社 見積もり | 80 | 40,000円 | 4件 | 10,000円 |
| Web制作 求人 | 60 | 30,000円 | 0件 | 算出不可 |
| ホームページ制作 料金 | 100 | 60,000円 | 2件 | 30,000円 |
| 採用サイト 制作 相談 | 5 | 2,500円 | 0件 | 算出不可 |
- ● Web制作 会社 見積もり:許容CPA内で複数の成果がある。問い合わせの質も確認し、維持・強化の候補にする
- ● Web制作 求人:制作の発注より求職の意図が考えられる。相談獲得キャンペーンでは、意図を確認したうえで除外を検討する
- ● ホームページ制作 料金:成果はあるがCPAが高い。LPに料金目安や見積もり条件が十分にあるかを調べる
- ● 採用サイト 制作 相談:サービスと合うなら、5クリックだけで悪い語句とは判断せず、データをためて再確認する
CPAは費用 ÷ CVで計算しています。CVが0件の場合、CPAを0円と扱ってはいけません。また、許容CPAを1回分使って成果がなかったことだけでは、その語句が今後も成果を出さないとは言い切れません。
このように、除外する語句、広告やLPを直す語句、伸ばす語句、判断を保留する語句を分けると、分析が実際の作業につながります。
分析結果を改善につなげる4つの方法
1) 関連性が低い検索語句を除外する
対象外の商品や目的の検索であれば、除外キーワードを検討します。検索語句の行を選択して除外キーワードとして追加し、適用先とマッチタイプを確認して保存します。追加画面の操作は、Googleの除外キーワード追加ガイドも参考にしてください。
除外の範囲は、必要なところに限定します。その広告グループだけで不要なのか、キャンペーン全体で不要なのかを確認し、別のサービスで必要な検索まで止めないようにします。
(例)求人関連の検索を除外する際の注意
Web制作の仕事を探す人は対象外でも、採用サイトや求人サイトの制作を依頼したい企業は顧客になり得ます。採用や求人という単語を広く除外する前に、必要な検索も止めないか確認します。意図が曖昧な場合は、不要と判断した具体的な検索語句を、狭い範囲で除外する方法を検討します。
検索キャンペーンの除外キーワードには、次の違いがあります。
- ● 完全一致の除外:基本的に、指定した語句が同じ語順で、ほかの語句を含まずに検索された場合を除外する
- ● フレーズ一致の除外:指定した語句が同じ語順で含まれる検索を除外する
- ● 部分一致の除外:指定した語句がすべて含まれる検索を、語順にかかわらず除外する
通常の配信キーワードと除外キーワードでは、一致の仕組みが異なります。類義語までまとめて除外されると思い込まず、追加後の配信を確認してください。詳細は、Googleの除外キーワードの説明で確認できます。
2) 成果のよい検索語句を、広告やキーワード設計に反映する
成果が出ている検索語句は、顧客が使う言葉を知る手がかりです。共通するテーマを整理し、広告文やLPの見出しに、実際のサービス内容と合う表現を取り入れます。
必要に応じて、キーワードとして追加し、検索意図に合う広告グループで管理することも検討します。ただし、すでに既存キーワードで配信できているため、追加するだけで成果が増えるとは限りません。すべての検索語句を登録するのではなく、訴求や遷移先を分けて管理する目的があるかで判断します。
3) 検索意図に合わせて広告文とLPを改善する
関連性のある検索なのに成果が弱い場合は、クリック前後で期待がずれていないか確認します。広告で伝えている内容と、LPで最初に見える内容を並べて見直すと、足りない情報を探しやすくなります。
(例)検索語句から考えるLPの改善
- ● 料金を調べている:価格の目安、料金に含まれる範囲、見積もり条件を示す
- ● 制作会社を比較している:得意分野、実績、進め方を確認しやすくする
- ● 特定業種のサイト制作を探している:その業種の事例や対応内容を示す
表示内容が検索意図と合っていても、フォームの使いにくさやスマートフォンでの表示が原因の可能性もあります。語句だけで原因を決め付けず、クリック後の体験も確認します。
4) 配信範囲と予算を、実際の成果に合わせて見直す
意図のずれた検索が続く場合は、除外だけでなく、登録キーワードやマッチタイプ、広告グループのテーマも点検します。成果がよい需要を狭めすぎないよう、費用削減と獲得件数の両方を見て判断します。
検索語句そのものに、通常のキーワードと同じ入札単価を直接設定するわけではありません。関連するキーワードやキャンペーンの設定を見直します。スマート自動入札を使っている場合は、手動入札を前提にせず、目標、予算、計測する成果、配信範囲が目的に合っているか確認しましょう。
検索語句レポートを見るときの注意点
すべての検索語句を確認できるわけではない
プライバシー保護などの理由で、個別に表示されない検索語句があります。表示されている行の合計だけを、キャンペーン全体の実績と思い込まないようにしましょう。
全体の需要は、検索語句に関する分析情報も補助的に確認できます。こちらは検索をテーマなどでまとめたものであり、非表示の検索語句をすべて個別に確認できる機能ではありません。詳しくは、検索語句に関する分析情報の説明を参照してください。
マッチタイプ列は、登録時の設定と同じとは限らない
検索語句レポートのマッチタイプ列は、実際の検索語句と登録キーワードとの一致関係を示します。インテントマッチで登録したキーワードでも、検索語句との関係によって完全一致と表示される場合があります。設定を変更するときは、登録キーワード側のマッチタイプも確認してください。これはGoogleの検索語句のマッチタイプの説明でも区別されています。
直近の成果不足と、計測の不具合を切り分ける
クリックから問い合わせまでに日数がかかる場合、最近の費用は反映されていても、対応するコンバージョンはまだ記録されていないことがあります。Googleも、コンバージョンに至るまでの時間を考慮して実績を評価するよう案内しています。
また、幅広い検索語句で急に成果が0件になった場合は、語句の良し悪しを判断する前に、コンバージョントラッキングやフォームの動作を確認します。
改善後は、削減額だけでなく成果も見る
除外や広告文の変更を行ったら、変更日、対象、理由、確認予定日を残します。立ち上げ直後や大きな変更後は確認頻度を上げ、安定運用では週次で候補を確認し、月次で成果を振り返るなど、配信量に合わせて運用するとよいでしょう。
広告費が減っても、有効な問い合わせまで減っていれば改善とは限りません。同程度の期間で費用、CV、CPA、問い合わせの質を比べ、季節性や予算変更の影響も踏まえて評価します。
まとめ:登録キーワードの先にある検索意図を見る
登録キーワードのレポートは、設定単位の成果を把握するためのものです。実際にどんな言葉で検索され、何に費用が使われ、どこから成果が出たのかを調べるには、検索語句レポートを確認します。
まず費用の多い語句と成果のある語句を確認し、検索意図を広告・LPと照合しましょう。コンバージョンの有無だけで切り捨てず、除外・改善・強化・継続観察を分けることが、無駄な支出を抑えながら獲得機会を残すポイントです。
月次レポートには、検索語句の一覧だけでなく、何を見つけ、どの設定やページを変更し、次に何を確認するかまで記載します。定型的な集計や資料作成を整え、検索意図の分析と改善に時間を使っていきましょう。
