結論:迷ったらまず何を見たいかで選ぶ
ページ系ディメンションは、見た目が似ていても軸が違います。
大ざっぱに言うと、次の考え方にすると事故が減ります。
- ● 見やすさ重視でページ一覧を作る:ページタイトル系
- ● URLで正確に特定したい:ページロケーション
- ● URLのドメイン以降だけで集約したい:ページパス系
- ● 最初に入ってきた入口ページを見たい:ランディングページ系
- ● アプリも一緒に見たい:スクリーン名、スクリーンクラス付き
前提知識:ページ情報はイベントのパラメータとして入っている
GA4はイベントベースです。ページ閲覧も page_view というイベントとして計測されます。
そのとき、ページのURLやタイトルはイベントに紐づくパラメータとして一緒に収集されます。
代表例は、ページURL(page_location)やページタイトル(page_title)などです。
(例)ページ閲覧時に収集される代表的な情報
・page_location:ページのURL
・page_title:ページタイトル
・page_referrer:参照元(前のページのURL)
クエリ文字列とは何か:URLの疑問符以降でページが増殖する
クエリ文字列は、URLの 「?(疑問符)」以降 に付く文字列です。一般的には「キー=値」の形で、複数ある場合は「&」で連結されます。
広告計測では utm_source や utm_medium などが代表例で、流入元を判別するためにURLへ付与します。
(例)UTM付きURL
https://example.com/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=spring_sale
・疑問符より前:URL本体
・疑問符より後:クエリ文字列(パラメータ)
・各パラメータは「&」で連結される
ここが重要です。
ページ系ディメンションで クエリを含むもの を使うと、同じページでもパラメータ違いで 別行として分裂 します。
逆に、クエリを含まないもの を使うと、同じページとして 集約 されます。
各ディメンションの違いと使い分け
1) ページタイトルとスクリーンクラス
ウェブとアプリを同じ枠で扱うための複合ディメンションです。
ウェブは主にページタイトル、アプリはスクリーンクラス(画面クラス)側で区別されます。
ページ一覧を 人間が読みやすく したいときに向きます。
(使いどころ)
・コンテンツの人気ページを把握したい
・社内共有でURLよりタイトルの方が伝わる
2) ページタイトルとスクリーン名
こちらもウェブとアプリをまとめて扱う複合ディメンションです。
ウェブはページタイトル、アプリはスクリーン名(画面名)を軸にします。
アプリ側で画面名を運用している場合、スクリーンクラスより扱いやすいことがあります。
(使いどころ)
・アプリ側で画面名の命名ルールがある
・画面名の粒度でKPIを追いたい
3) ページロケーション
ページの URLそのもの です。最も正確にページを特定できます。
一方で クエリ文字列も含まれる ため、行数が増えやすいのが難点です。
(例)同じページでも行が分かれる
・https://example.com/service/
・https://example.com/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc
・https://example.com/service/?utm_source=facebook&utm_medium=paid_social
すべて別ページとして並ぶ
4) ページパス+クエリ文字列
ドメインを除いた パス に、クエリ文字列 を足したものです。
ドメイン違いは無視しつつ、パラメータ違いに分けたいときに使います。
ただし、広告パラメータが大量に付くサイトでは、ページ一覧が爆発します。
(例)表示イメージ
・/service/
・/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc
・/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_content=banner_a
5) ページパスとスクリーンクラス
ウェブはドメイン以降の パス、アプリは スクリーンクラス を軸にする複合ディメンションです。
ウェブだけで考えるなら、クエリを落としてパス単位で集約 できるので、ページ別の傾向把握に向きます。
ただし、パスにIDが含まれる設計(例:/news/12345/)だと、結局行数が増えます。
(使いどころ)
・広告パラメータを無視してページ単位で数字を見たい
・パス設計が整理されているサイトで一覧性を担保したい
6) ランディングページ+クエリ文字列
セッションの入口(最初に表示されたページ) を軸にするディメンションです。
さらにクエリ文字列も含むため、入口ページを広告パラメータ単位で分けて見たいときに使います。
(例)入口ページとして分かれる
・/service/?utm_source=google&utm_medium=cpc
・/service/?utm_source=facebook&utm_medium=paid_social
同じパスでも広告別の入口として別行になる
数値はどう変化するのか:合計は同じでも内訳が割れる
ディメンションを変えると、合計値そのものが変わることもありますが、多くは 内訳の割れ方 が変わります。
代表的な変化をパターンで整理します。
パターンA:クエリを含めると行数が増え、1ページあたりの数値が小さく見える
ページロケーション、ページパス+クエリ文字列、ランディングページ+クエリ文字列は、パラメータ違いで別行になります。
その結果、同じ実体ページでも数値が分散します。
(例)同じ実体ページの数字が分散するイメージ
・/service/?utm_source=google:表示回数 60
・/service/?utm_source=facebook:表示回数 40
クエリを含まないディメンションなら、/service/ として表示回数 100 に集約される
パターンB:ページタイトル系は読みやすいが、同名タイトルで混ざることがある
ページタイトルは見やすい反面、設計が甘いと別ページが同じタイトルになり、混ざって見えることがあります。
正確に特定したい場面ではURL系ディメンションに戻すのが安全です。
パターンC:ランディングページ系は指標によって意味がズレる
ランディングページは入口ページを表します。
そのため、指標を何にするかで解釈が変わります。
- ● セッション数:入口ページ別に、どれだけセッションを連れてきたか
- ● ユーザー数:入口ページ別に、どれだけ人を連れてきたか
- ● 表示回数:入口ページを軸にした表示回数なので、入口以外の閲覧も混ざることがある
- ● キーイベント数:入口ページ別に、成果に結びついた回数を見られる
(おすすめ例)入口ページを評価したい場合
・ディメンション:ランディングページ+クエリ文字列
・指標:セッション数、キーイベント数、セッションのエンゲージメント率
まとめ:レポート目的別のおすすめ設定
最後に、よくある目的ごとにおすすめをまとめます。
- ● ページ別の人気ランキング:ページタイトルとスクリーンクラス
- ● URLで正確に特定して調査:ページロケーション
- ● 広告パラメータでページが増えすぎるのを避ける:ページパスとスクリーンクラス
- ● 広告キャンペーン別に入口ページを見る:ランディングページ+クエリ文字列
- ● まず集約してから深掘り:パス単位→必要時のみクエリ込みで掘る
ページ系ディメンションは「どれが正しいか」ではなく、「目的に対してどれが事故りにくいか」で選ぶのがコツです。
特にクエリ文字列を含むディメンションは便利な反面、行が増えて分析がしづらくなりやすいので、まずはパス単位で集約し、必要なときだけクエリ込みで深掘りする運用が安定します。