Looker Studioを開いたら、データポータルという名前が表示されている。昔もこの名前ではなかったかと感じた方は、その記憶で合っています。
Looker Studioは2026年4月にデータポータルへ名称が変更されました。英語名はData Studioです。新しい別サービスが登場したのではなく、以前使われていた名称に戻った形です。
ただ、名前が戻ったからといって、製品の方針まで昔に戻ったわけではありません。この記事では、2026年4月20日までのGoogle公式発表をもとに、名称の変遷と、その背景を整理します。
Looker Studioの新名称はデータポータル、英語名はData Studio
Googleは2026年4月10日の公式ブログで、Looker StudioをData Studioという名称で再紹介しました。4月16日のリリースノートには、ブランド変更とホーム画面の更新が掲載されています。発表日とリリースノートの掲載日は分けて押さえておきましょう。
日本語ではデータポータル、英語ではData Studioと表記されます。Googleの日本語ヘルプでも、Looker Studioの名前が元のデータポータルに戻ったと案内されています。
- ● 現在の日本語名:データポータル
- ● 現在の英語名:Data Studio
- ● 直前の名称:Looker Studio
日本語の記事でデータポータル、英語の発表でData Studioと書かれていても、ここでは同じ製品を指します。一方、Studioの付かないLookerは別製品です。Lookerそのものがデータポータルに改名された、という意味ではありません。
出典:2026年4月10日のGoogle公式発表、4月16日のリリースノート、日本語の名称案内
年表で振り返る、データポータルの歴史
英語名の流れは、Data Studio → Looker Studio → Data Studioです。日本語でも、Looker Studioへの改名前にはデータポータルという名称が使われていました。主な節目を並べると、今回の変更が分かりやすくなります。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 2016年 | Data Studioがベータ版として登場。3月にはGoogle Analytics 360 suiteの一製品としてData Studio 360の限定ベータ版も発表された。 |
| 2018年9月20日 | Data Studioがベータ版を終了し、一般提供へ。無料のデータ可視化・レポート作成製品として案内された。 |
| 2020年 | GoogleがLookerを買収。Data Studioとは別に発展してきた企業向けBI製品がGoogle Cloudに加わった。 |
| 2021年 | データポータルがLookerの一部となったことをGoogleが案内。両製品の長所を組み合わせる方針が示された。 |
| 2022年10月11日 | BI製品群をLookerブランドのもとにまとめ、Data StudioをLooker Studioへ改名。 |
| 2026年4月10日 | Data Studioという名称への回帰を公式ブログで発表。日本語名もデータポータルへ戻る。 |
| 2026年4月16日 | 名称変更とホーム画面の更新をリリースノートに掲載。 |
年表の2016年は製品の登場時期を示しています。当初から日本語名がずっとデータポータルだった、と断定するものではありません。少なくとも2021年のGoogle日本語ブログではデータポータルと呼ばれており、2022年の日本語発表でも旧名称として確認できます。
出典:2016年のAnalytics 360 suite発表、2018年の一般提供開始、2021年の製品方針、2022年の日本語による改名・連携の説明
2022年になぜLooker Studioへ名称変更したのか
2022年の改名は、Google CloudのBI製品をLookerという共通ブランドのもとにまとめる取り組みの一環でした。BIとは、データを集計・分析・可視化し、業務の判断に役立てる仕組みやツールのことです。
Googleは2020年にLookerを買収しています。その後、Looker、Data Studio、GoogleのAI・機械学習技術を組み合わせ、一連の分析環境として提供する方針を示しました。2022年10月11日の発表では、そのブランド統一と同時にData StudioをLooker Studioへ改名しています。
LookerとData Studioには、もともと異なる得意分野があった
Lookerは、企業全体で指標の定義やアクセス権を管理し、共通の基準で分析することを重視する製品です。Data Studioは、利用者が必要なデータを組み合わせ、自分でレポートを作るセルフサービス型の分析を担っていました。
2022年4月の連携発表では、Lookerで管理されたデータをData Studioから利用し、可視化できるようにする方向が示されています。管理された共通データと、現場での柔軟なレポート作成をつなぐ狙いがありました。
(例)会社全体で使う売上の定義は統一しつつ、部署ごとに必要なグラフを作りたい場合
- ● 共通の定義・管理:どの売上を計上するか、誰がどのデータを見られるかをそろえる
- ● 現場での可視化:営業部は担当別、マーケティング部は集客施策別など、目的に応じて見せ方を変える
この2つを両立させることが、製品連携の考え方です。LookerとLooker Studioが同じ製品になった、という意味ではありません。
出典:2022年4月のLooker・Data Studio連携発表
2026年になぜData Studioへ戻したのか
2026年4月の公式発表では、Lookerを企業向けBI基盤として位置づけながら、Data Studioを独立して発展させ、互いを補完する方針が示されています。2022年のブランド統一から、製品ごとの役割を明確にする方向へ整理し直したと読み取れます。
個人のデータ探索と、企業全体の管理を分けて考える
GoogleはData Studioを、個人がデータを探索し、その都度必要なレポートを作る場として説明しています。一方のLookerでは、組織で共有する指標の定義や統制を基盤にした分析を重視しています。この役割分担が、今回の名称変更を理解するポイントです。
レポートに加えて、データを活用する入口をまとめる
4月16日のリリースノートには、ホーム画面からレポートとデータソース、BigQueryの会話エージェント、Colabノートブックで作成したデータアプリへアクセスできるようにしたことが記載されています。グラフを見るだけでなく、異なる形のデータ活用へ入る場所としての役割が広がっています。
ただし、ここで示されているのはホーム画面での集約です。関連機能のすべてを、すべての利用者が同じ条件で使えるという意味ではありません。プレビュー提供など、機能ごとの条件は分けて確認する必要があります。
名前が不評だったから戻した、とまでは言えない
Googleが公表しているのは、製品の役割やデータ活用環境に関する方針です。今回確認した公式発表では、名称への不評を改名理由として挙げていません。
名前が戻ったことは事実ですが、以前の改名が失敗だったから元に戻した、と断定する根拠にはなりません。公式に説明されている理由と、利用者側の感想や推測は分けて理解しましょう。
名称変更で既存レポートや使い方はどうなる?
名称変更だけを理由にレポートを作り直す必要はない
Googleは、既存のレポート、データソース、関連する資産やユーザーを、新しい環境へ引き継ぐと案内しています。名称変更のために、利用者が一からレポートを作り直す必要はありません。
入口のURLが変わる
製品のURLはdatastudio.google.comです。旧ドメインのlookerstudio.google.comは新しいドメインへ転送されます。
社内のプロキシなどで接続先を制限している場合は、新しいドメインを許可する対応が必要になることがあります。ページが開かない場合は、レポートを削除して作り直す前に、社内の接続制限を確認してください。
Looker、Data Studio、Data Studio Proを混同しない
2026年4月の発表では、無料のData Studioと、チームや組織向けのData Studio Proが案内されています。名称変更によって全員が有料版へ切り替わるわけではありません。Lookerはこれらとは別の企業向けBI製品です。
名称を確認するときは、Studioが付いているか、Proが付いているかまで見ると、契約や操作説明の取り違えを減らせます。
社内資料やクライアントへの説明はどう書く?
日本語の資料では、最初の登場箇所をデータポータル(旧:Looker Studio)とし、それ以降はデータポータルと書く方法が分かりやすいでしょう。これは表記をそろえるための実務上の提案であり、Googleが指定する書式ではありません。
(例)クライアントへの案内文
Googleのレポート作成ツールLooker Studioは、2026年4月にデータポータルへ名称が変更されました。英語名はData Studioです。従来からご覧いただいているレポートを別製品へ作り直す変更ではありません。今後、当社資料ではデータポータル(旧:Looker Studio)と表記します。
手順書の見出しやメニュー名は更新しつつ、撮影済みの操作画面に旧名称が残る場合は、撮影時点の名称であることを添えると親切です。過去の資料を探す場面では、Looker StudioとData Studioの両方で検索すると見つけやすくなります。
名称の置き換えと、レポートの数値・計算式の変更は別の作業です。呼び方を更新するために、正常に動いているデータ接続や計算フィールドまで変更する必要はありません。
名前の変遷を知ると、製品の役割も分かりやすくなる
データポータルは、Data Studioとして登場し、2022年にLooker Studioへ、2026年4月に再びData Studioへと英語名が変わってきました。日本語名も、以前使われていたデータポータルに戻っています。
2022年の改名にはBI製品群のブランド統一、2026年の再改名にはLookerとData Studioの役割を分けて発展させる方針があります。単に名前の順番を覚えるより、どのような利用場面を担う製品なのかと合わせて理解すると、古い記事や手順書も読み解きやすくなります。
まずは社内資料の表記とアクセス先を確認し、既存レポートを引き続き利用できる状態を整えましょう。そのうえで、毎月のレポート作成に時間がかかっているなら、指標の選び方や集計・報告の手順も見直してみてください。
