(not set)が出る仕組み
GA4をLooker Studioで見ていると、ディメンションの中に「(not set)」が増えてきて不安になることがあります。
「これ、計測が壊れてるの?」「レポートが間違ってる?」と感じやすいところですが、まず落ち着いてください。
「(not set)」は、ざっくり言うとその項目に入るはずの情報が、何らかの理由で入らなかったときに出ます。
たとえば、次のようなイメージです。
- ● 「流入元(参照元/メディア)」を表示したいのに、入口情報が取れなかった
- ● 「ページタイトル」を出したいのに、そのイベントではタイトルが渡っていない
- ● 「キャンペーン名」を出したいのに、UTMが付いていない
ここで大事なのは、「(not set)」は一種類ではなく、どのディメンションで出ているかによって原因が違うことです。
まずは「どこに出ている(not set)なのか」を見て、パターンで対処します。
パターン別の対処
ここでは、現場で特に多い「(not set)」のパターンを、原因→確認→対処の順でまとめます。
パターン1:参照元/メディアやキャンペーンに(not set)が出る
入口情報(流入元)が取れていないか、分類できない形で入ってきているパターンです。
ただし、すべてが異常というわけではなく、仕様的に起きやすい流入もあります。
- ● 確認する場所:GA4の「トラフィック獲得」や、Looker Studioで「参照元/メディア」「キャンペーン」
- ● よくある原因:UTMがない、アプリや一部環境で参照元が渡らない、リダイレクトで情報が欠ける
(例)メールからの流入なのにUTMが付いていない
→ URLが https://example.com/lp のままだと、参照元が期待通りにならず「(not set)」や想定外の分類になります。
→ 例えばメール用は次のように付けます。
-
●(例)メール配信用URL:
https://example.com/lp?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=2026_02_sale
対処としては、まず「UTMが付くべき流入」にルールを作って付け切ることです。
特に、メール、SNS投稿、外部メディア掲載、QRコード、資料PDFなどは、付けないと後からほぼ復元できません。
パターン2:ランディングページやページタイトルに(not set)が出る
「page_view」前提で取れるはずの情報が、別のイベントを軸にした瞬間に欠けることがあります。
つまり、計測が壊れているというより、見ているイベントとディメンションの相性の問題です。
(例)問い合わせ完了(キーイベント)を軸に「ページタイトル」で分解する
→ 完了イベント側にページ情報が載っていないと「(not set)」が混ざります。
この場合は「完了イベント」ではなく「セッション開始」や「ページビュー」から見た方が自然です。
- ● 対処:ページ系で分析したいなら、まずは「ランディングページ」「ページパス」などを「セッション」や「ページビュー」基準で見る
- ● 対処:どうしてもイベント基準でページ情報が必要なら、GTMでパラメータを渡す設計を検討する
パターン3:地域、デバイス、ブラウザなどが(not set)になる
一部の環境では、プライバシー設定や技術的制約で情報が欠けることがあります。
ここは「ゼロにする」のが難しい領域です。
対処の考え方はシンプルで、一定割合までは仕様として許容し、急増だけ監視するのが現実的です。
例えば「普段は1〜3%なのに、急に15%になった」なら異常を疑う、という運用にします。
パターン4:カスタムディメンション(独自項目)で(not set)が出る
これは原因がはっきりしていて「値が送られていない」か「定義が合っていない」ことが多いです。
特に多いのが、次のようなケースです。
- ● イベントには送っているが、GA4側でカスタムディメンション登録をしていない
- ● 登録したが、イベント名やパラメータ名が一致していない
- ● 送るタイミングが限定されていて、多くのイベントでは空になっている
(例)フォーム種別を form_type で送りたいのに、実装側は formType になっている
→ レポート上では揃わず「(not set)」が増えます。
この場合は「名前を揃える」が最優先です。
レポート上の扱い(除外/分類)
「(not set)」は原因を潰すのが本筋ですが、現実にはすぐ直せないこともあります。
なので、レポート上では「見やすさ」と「判断の速さ」を落とさないために、扱い方を決めておくのが大事です。
1) 除外するべき(not set)と、残すべき(not set)を分ける
例えば、ページ別ランキングを見たいのに「(not set)」が上位に来ると邪魔になります。
こういう場合は「除外」した方が判断が早いです。
一方で、流入元の(not set)は「データ品質の異常検知」として重要なことがあるので、完全に消すより「監視枠」に残した方が安全です。
- ● 除外が向く例:ページ一覧、商品一覧、記事一覧など「ランキング表示」
- ● 残す/監視が向く例:参照元/メディア、キャンペーン、カスタムディメンション
2) 「不明」グループとして分類して、割合で見る
消すか残すかで迷うなら、「不明」としてまとめて割合で見せるのが安全です。
これなら、改善すべきかどうか(増えているか)も判断できます。
(例)参照元/メディアのレポートに「不明(not set)」を1行だけ作り、割合を表示する
→ 「不明が0.8%なら許容」「5%を超えたら調査」など、運用ルールが作れます。
3) 監視枠を作って「急増」を検知する
一番困るのは、いつの間にか(not set)が増えて、後から原因が追えなくなることです。
なのでテンプレ側に「not set 監視」枠を作っておくと安心です。
- ● 直近7日と前7日の(not set)割合を比較する
- ● not set が多いディメンション上位を出す
- ● not set が増えた日を特定できる時系列を置く
まとめ:データ品質を整えると、改善のスピードが上がる
「(not set)」は、GA4やLooker Studioが壊れているというより、情報が欠けたときに出る表示です。
どのディメンションで出ているかによって原因は変わるので、パターンで切り分けるのが早道です。
すぐ直せない場合でも、レポート上で「除外」「不明として分類」「監視枠」で扱いを決めると、判断が止まりません。
まずはデータ品質を見える化して、増えたタイミングで潰せる状態を作るのがおすすめです。