重くなる要因(計算/表/フィルタ)
Looker Studioを使っていて一番ストレスが溜まるのが「開くのに時間がかかる」「フィルタを触るたびに固まる」問題です。サクッとレポートをダウンロードして提出したいのに、Looker Studioでレポート画面が表示されないとそれだけで時間のロスに繋がります。
重さの原因は色々ありますが、現場で効くのはだいたい次の3つです。
「計算」「表」「フィルタ」。この順に疑うと早いです。
1) 計算:計算フィールドが多い、重い計算をしている
便利なのでつい増えがちですが、計算フィールドは積み上がるほど重くなります。
特に注意したいのは「グラフや表の中で毎回計算させる」形になっているケースです。
- ● 例:CVR、CPA、ROAS、前期間比、構成比などを大量に作っている
- ● 例:条件分岐(CASE)が多い分類項目をいくつも入れている
- ● 例:日付の加工や文字列の加工を、表示ごとに毎回やらせている
(例)「媒体名をまとめる分類」をCASEで10パターン以上作っていて、表やグラフの至る所で使っている
→ これ、かなり重くなりやすいです。分類は便利ですが、使い方が雑だと一気に鈍ります。
2) 表:表が大きすぎる、行数が多い、表示項目が多い
「表」は重さの主犯になりやすいです。
特に、明細に近い表(キャンペーン別、検索語句別、ページ別など)をそのまま置くと、読み込みが遅くなります。
- ● 例:行数が多い(上位1000行など)
- ● 例:ディメンションを2つ3つと掛け合わせている(媒体×キャンペーン×広告グループ等)
- ● 例:表に指標を詰め込みすぎている(10指標以上)
ありがちなのが「全部入り表」です。充実したレポートを作成しようとして、すべてを表示させたいのは理解できますが、基本的に上位20件〜30件だけで十分なことがほとんどです。
3) フィルタ:フィルタが多い、ページ全体に効いている、複雑な条件になっている
フィルタは触るたびに再計算が走るので、数が多いと体感で一気に遅くなります。
特に「ページ全体に効くフィルタ」を重ねるほど、読み込みが伸びます。
- ● 例:期間+チャネル+デバイス+地域+キャンペーン…とコントロールを盛りすぎる
- ● 例:正規表現や複数条件の除外フィルタを多用する
- ● 例:表ごとに別の複雑フィルタが付いている
軽量化の手順(優先度順)
軽量化は「全部直そう」とすると疲れます。
速くするコツは、効く順に手を入れることです。ここでは、やる順番をそのままチェックリスト化します。
手順1:重い表を「小さくする」
まずは表です。ここが一番効きます。
次のどれかをやるだけで、体感が変わることが多いです。
- ● 行数を減らす(上位10〜50件にする)
- ● ディメンションの掛け合わせを減らす(媒体×キャンペーンまで、など)
- ● 指標を減らす(見る目的に必要な3〜5個に絞る)
- ● 明細は別ページに逃がす(サマリーと明細を分ける)
(例)トップページは「サマリー」だけにして、詳細情報の表は2ページ目に移す。
→ 開いた瞬間のストレスが減り、見やすくなります。
手順2:フィルタを「減らす」「効かせる範囲を狭める」
次にフィルタです。フィルタが多いほど、操作するほど遅くなります。
「便利そうだから置く」ではなく「本当に触るか」で絞ってください。
- ● 使われないコントロールを消す
- ● ページ全体ではなく、必要な図表だけに効かせる
- ● 似たフィルタは統合する(例:媒体フィルタとチャネルフィルタの役割整理)
手順3:計算を「減らす」「まとめる」
計算フィールドは、重いものから手を付けると効率がいいです。
特に「分類のCASE」や「比較計算」を大量に置いている場合は、整理の余地が大きいです。
- ● 使っていない計算フィールドを消す(意外と残っている)
- ● 同じ意味の指標を統一する(CV数が2種類ある、などをなくす)
- ● 分類(CASE)は必要最小限にする
手順4:ページ構成を「二階建て」にする(サマリー→深掘り)
- 1ページ目:全体サマリー(軽い)
- 2ページ目以降:深掘り(必要な人だけ見る)
こうすると「開くのが遅い」問題が減り、レポート共有時に閲覧者が離脱しにくくなります。
テンプレ選定の基準
ここまでの話を踏まえると、テンプレは「見た目」より「軽さの設計」も大事です。
ぱっと見でグラフが多いテンプレが良さそうに見えますが、運用では逆になることがあります。
失敗しないために、最低限ここだけ見てください。
- ● 1ページ目が軽い構成になっているか(サマリー中心か)
- ● 表が「上位表示」前提になっているか(明細の全部出しをしていないか)
- ● フィルタが盛られすぎていないか(本当に触るものだけか)
- ● 計算フィールドが増えすぎない設計か(分類や比較が必要最小限か)
- ● 目的がはっきりしているか(何を判断するためのページか説明できるか)
(例)「月次レポート」なら、最初に見るのは基本的なKPIのサマリーで十分です。
詳細情報については、深掘りページで見られればOKです。
まとめ:速いレポートは、それだけで運用が回り出す
Looker Studioが重いと、レポートが見られなくなり、改善が止まります。
まず疑うのは「表」「フィルタ」「計算」です。特に表の行数と項目数を減らすのが一番効きます。
そしてテンプレを選ぶときは、グラフの多さではなく「軽さの設計」を見てください。
1ページ目が軽い、サマリー→深掘りの二階建て、表が上位表示前提。ここが揃うと、運用が一気にラクになります。